CO2センサーには様々な検知技術があり、それぞれが特定のアプリケーションに適しています。以下に主要なCO2センサーの検知方式を説明します:
1.非分散型赤外線(NDIR)センサー:
最も一般的に使用されるCO2センサーで、赤外線の特定の波長がCO2分子によって吸収される原理を利用します。光源から放射された赤外線がサンプルガスを通過し、センサーがこの光の吸収量を測定します。吸収量が多いほど、CO2の濃度が高いことを示します。
2.化学センサー:
化学反応によってCO2の存在を検出します。このタイプのセンサーは、CO2が特定の化学物質と反応して色の変化を引き起こすことを利用しています。色の変化は、CO2の濃度に比例します。
3.光音響センサー(PAS):
光音響センサーは、赤外線がCO2ガスに吸収されるときに発生する音波(音響信号)を検出することでCO2濃度を測定します。この方式は非常に高感度で、低濃度のガスも検出できます。
4.固体電解質型センサー:
このタイプのセンサーは、固体電解質を使用してCO2を検出します。電極間でCO2が反応することによって発生する電流を測定することで、ガスの濃度を推定します。
5.金属酸化物半導体(MOS)センサー:
環境中のCO2によってその導電性が変化する金属酸化物の特性を利用しています。この変化はCO2の濃度に応じて異なり、センサーはこの情報を基にCO2の濃度を測定します。安価ですが、他の気体にも反応し精度が影響を受ける場合があります。
6.赤外線吸収センサー(IR):
この方式も赤外線の吸収を利用していますが、NDIRとは異なり、レーザーなどの特定の光源を使用してより精密な測定を行うことがあります。
これらの検知方式は、それぞれに適した用途があり、例えば高感度が必要な科学的研究ではPASが、一般的な室内空気品質の監覧ではNDIRが選ばれることが多いです。選択する際には、必要な精度、検知範囲、応答速度、環境条件、コストなどの要因を考慮することが重要です。
CO2センサーの技術の中で、価格に関して一般的な傾向は以下のようになります:
最も安価なセンサー
金属酸化物半導体(MOS)センサー: これらは製造が比較的容易で、材料コストが低いため、市場で最も安価なセンサーの一つです。これらは大量生産に適しており、広範な商業用途や住宅用アプリケーションで広く利用されています。市場で数千円で販売されているセンサーの多くはこのタイプが採用されています。
中間の価格帯
非分散型赤外線(NDIR)センサー: NDIRセンサーは広範囲にわたる応用で使用され、その堅牢性と信頼性により、家庭用から商業用、産業用まで幅広いアプリケーションに適しています。これらのセンサーはMOSセンサーよりは高価ですが、光音響センサーほどではありません。
最も高価なセンサー
光音響センサー(PAS): 光音響方式のセンサーは、非常に高い感度を提供し、特定のガスに対する高い選択性がありますが、その技術の複雑さと精密な構成要素のために、通常はかなり高価です。科学研究や特定の産業用途など、高感度が求められる環境で使用されることが多いです。
経産省のガイドラインでは、NDIR方式以上の精度を持つセンサーの使用が推奨され知恵ます。
これらの価格差は、使用される技術の複雑さ、製造コスト、感度、選択性、そして市場での需要に基づいています。センサーを選ぶ際には、必要な検出性能とアプリケーションの要件に基づいて最適なものを選ぶことが重要です。安価なものでも目的に合っていれば十分な場合が多く、一方で高価なものは特定の高精度が求められる状況でのみ必要とされることがあります。
デナリ・ボッツは、最も高精度、高感度で信頼性の高い光音響センサー(PAS)を採用しています。
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